しまなみ海道をサイクリングしていました。実家(倉敷市)への帰省ついでです。「しまなみ海道を自転車で走ると楽しいらしい」ということは、何度も何度も見聞きしていましたので、そろそろ走ってみようと思った次第です。

実家からは、自動車で移動。駐車場は「タイムズ尾道」を利用しました。駐車後12時間の最大料金が800円ですので、尾道駅前港湾駐車場よりもお得だと判断。スペース的に輪行の準備には狭すぎるなんてこともなく、自転車の出発準備も普通に完了。
01_タイムズ尾道


ここから、しまなみ海道サイクリングの起点となる、向島に移動せねばなりません。向島へは船でのアクセスが一般的とのことで、船着場に移動します。
実は、場所を詳しく調べてはいなかったのですが、海沿いを走れば、見た目で分かるだろうと、行き当たりばったり。案の定、走りはじめて数分で、到着です。渡船はいくつかあるようなのですが、最初に見つけた尾道渡船を選択。片道110円(=大人100円+自転車10円)で数分の船旅です。
02_尾道渡船


03_尾道渡船


下船したら、本格的(?)なサイクリング開始。詳しい下調べなしでの出発。
基本的な情報、
 ・船着き場は海沿いにある(当然ですね)
 ・サイクリングの推奨ルート沿いにブルーラインを引いてある
 ・要所要所で案内表示がある
 ・ほどほどの人口がある地域で商店もそれなりに存在する
 ・片道約70km。往復でも140km程度
であることは、情報として得ていましたので、まぁ、なんとかなるだろうと。

実際、なんとかなりまして、道案内は明確。ブルーラインに気を付けて走れば、道に迷うことはないと思います。橋への入口(自動車用のインターチェンジとは別の場所です)には、案内板が設定されています。
04_因島大橋

自転車が走るべき箇所も明確です。案内は分かりやすいです。でも・・・、一番の目玉(というか、お楽しみ)の橋の部分に大きな問題がありました。
ここ(因島大橋)に限らず、橋上は基本的に対面通行です。仕方ないのでしょうが、正直、イマイチ感はぬぐえません。進行方向別の通行区分にすればいいんじゃないの?と思わなくもないです。でも日本の「歩行者は右、車両は左」の原則など、いろいろ考慮すると、こうなってしまうのでしょうね。もっとも保護されるべきは歩行者ですので、これはこれで現実解なのかな。
06_通行区分
交通量は多くはありません。危険を感じることもありません。対面通行は、ちょっと残念ですけどね(^_^;)。


ところでところで、経路の案内は万全と思いきや、私が唯一進路を間違ったのが、大三島橋への入口。尾道側から今治方面へは、ここを右折すべきだったのですが、案内表示が進行方向右側に存在しているためか、気づかず、直進してしまいました。他にも間違った方がおられましたので、間違えやすいスポットなのだと思います。
17_大三島橋への右折


さてさて、サイクルリングの好適地として有名な、しまなみ海道。
好適地ですが、巨大な本四架橋を除けば、走るのは普通の道です。いわゆる生活道路。なんの変哲もない道路でありながら、ラインを引いて走りやすくしている。おそらく、住民の方も「自転車がよく走る」ことを認識しているためか、危険な追い越しの類は皆無。既存のインフラを活用して、上手に自転車の走行環境を整えてPRしているな、と感心します。繰り返しになりますが、普通の道なんですけどね。ハード面の充実よりも、住民の方の意識(ソフト)が、サイクリングしやすい環境構築に貢献しているのではないか、と感じました。

そして、普通の生活道路ですので、自販機やコンビニなどの商店が普通に存在しています。荒川河川敷の数倍は便利(笑)。その他、道の駅もありますので、補給や休憩場所には困りません。店舗には大抵、サイクルラックが準備されているなど、自転車への配慮を伺えます。

例えば、マリンオアシスはかた。
09_マリンオアシスはかた

この、マリンオアシスはかたでは、10:00から伯方の塩を使ったラーメンも提供されるそうです。しかしながら、私の訪問は9時代。残念ながら食べられず。それでも、美味しい「たこめし」や「ちくわパン」などをいただけます。
11_たこめし
BlogPaint
ここで食事している途中、香港からの旅行者に話しかけられ、多少の自転車談義ができました。見た目で外国人だと分からず、いきなり英語で話しかけられてビックリ(笑)。


尾道から休み休み走って、約4時間で今治のサンライズ糸山に到着しました。少し休憩しまして、ここで折り返し。今治市街地まで行ってもいいのですが、この日は「夕方には雨が降るかも」との天気予報でしたので。
12_サンライズ糸山

折り返して、来島海峡大橋までの道中、造船所を撮影。しまなみ海道沿いは、造船所だらけです。知識として知ってはいましたが、本当に造船所だらけ。世界の海運のかなりの部分は、瀬戸内が支えているのだと、実感。
13_造船所


来た道を戻ります。ここも対面通行。(仕方ないのでしょうね・・・)
歩行者と自転車が混在しています。大げさに表現するならば「歩道のつもりで走る」意識が必要です。
14_来島海峡第一


そして、帰路にちょっとしたアクシデントが発生。実は往路でリアディレイラー(変速機)の不調を感じて、2度ほど調整していました。
その不調がまたもや再発。伯方・大島大橋への上り坂途中で3度目の調整。過去2回はシフトケーブルを少し張る方向でOKだったのですが、今回は相当調整しても、直らない。テンション調整だけで何とかなる範囲を超えているようにも感じて、ここで張り具合だけを調整するのは、やめておくべきかな???と思いつつ、「最後のひと調整」と試行したところで、ケーブルを切ってしまいました。調整失敗。事前にしっかり、自転車の整備をしておくべきですね(汗)。
ケーブルを再接続する技量は私にはありません。このままでは、トップギア固定での走行を余儀なくされます。「チェーンをつなぎなおして(ディレイラーをバイパスして)、軽く走るべきか?」との思考が頭をよぎりますが、残り50km程度でしたので、そのままの走行を決意。この先、いくつも坂がありますが、まぁ、なんとかなるでしょう。幸いなことに、激坂はありません。
(帰宅後調べると、こんな応急措置を知りました。チェーンを切る必要もありません。場合によっては、今後応用できそうです)
16_整備失敗
トップギア固定ですが、その後も、走行はまぁまぁ順調です。時々、信号での停止を余儀なくされますが、頻度は都会の10分の1とか、20分の1とか、そんな具合で助かりました。


帰路は、多々羅大橋の手前「道の駅 多々羅しまなみ公園 」で長時間のアイスクリーム休憩。
サイクリストの聖地がありました。かつて実施されたイベント(詳細は忘れました。説明文を写真撮影すべきでした)にちなんで、石碑がつくられたのだとか。
20_サイクリストの聖地


さらに、ほんの数キロ先で、またもや長時間休憩。生口島のポプラ(瀬戸田店)で、コンビニお好み焼き休憩。広島発祥のコンビニだけあって、コンビニお好み焼きも、想像以上の美味しさでした。
21_ポプラお好み焼き


その後もゆっくり走って、船着き場に到着。あまり綺麗じゃない海(ごめんなさい)を眺めつつ、本州に渡ります。今治のサンライズ糸山からここまで、約4時間半。サイクリングを楽しめました。
22_帰路の渡船


サイクリングのコースとしては、間違いなく一級。構造上の問題があるのでしょうが、いつの日か「橋上の対面通行&歩行者混在」が解消されたとき、本当に世界に誇れる超一級のサイクリングロードになるのだと思います。