投資において、留意すべき点はいくつかあります。
 今回は、重要な3つの観点、「長期」「分散」「低コスト」をとりあげます。

1.長期
 投資期間を長くすることで、複利の効果を期待できます。いわゆる「ゆきだるま」です。
 また、投資先からのリターンは「投資先の稼ぎ」からやってきます。株式投資であれば、投資先企業が成長して、稼いでくれることが不可欠です。そのためには、時間が必要です。
 投資が必ず成功するとは限りませんが、人々が日々経済活動を営んでいることを考えれば、長期的には、投資資金からリターンを得られる可能性は高いはずです。

2.分散
 投資対象を複数に分散しておけば、ひとつの投資先で失敗したとしても、他の投資先の成功で失敗を補えるかも知れません。
 分散投資すると「一発ぼろ儲け」の確率は減りますが、投資全体の効率は改善します。投資先の分散は、リスクの低減に直結するのです。

3.低コスト
 金融機関に支払う手数料が少なければ少ないほど、投資から得られるリターンは大きくなります。株式や投資信託の購入手数料や維持手数料は可能な限り抑えるのが鉄則です。
 仮に、購入手数料を3%減少させられれば、元金を3%増やせます。
 例えば、年間の維持手数料が2%ならば、投資先からのリターンが5%あったとしても、投資家が得られる実質的なリターンは3%になってしまいます。5%のリターンが3%になってしまったのでは、投資家のリターンは40%減少です。この40%分は、投資家からの金融機関へのプレゼントです。

 これらの留意点をまとめたWebサイトは多数存在します。ここでは、そのうちのひとつ、インデックス・ファンドの運用会社として名高い、バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社の投資入門を紹介します。「長期」「分散」「低コスト」を踏まえたうえで、分かりやすい解説になっています。もう少し詳しく知りたい方のために、バンガード社のサイトにも登場する、チャールズ・エリス博士の書籍、敗者のゲーム〈原著第6版〉 を紹介します。示唆に富む一冊です。

 ちょっとした投資のリテラシーがあれば、今月のような株式市場の暴落時においても、右往左往することはありません。そのためには、正しい情報に接することが大切です。